2017年10月26日木曜日

Knobless Wonder SSB Transceiver

 新QRP Plazaに紹介されていた「Knobless Wonder」を作ってみた。このトランシーバーはQRPで有名なVK3YE Peter parker氏が設計した超シンプルなSSBトランシーバーである。氏はPSN等色々なQRP機器を製作しており、非常に挑戦的なHamだ。時々参考にしているが、非常に有用な情報があるので、一度見てみては如何。

 「Knobless Wonder」は、名称のごとく一切のツマミが無い。あるのはアンテナコネクタとマイクジャックのみである。究極のシンプルさで、この徹底した考え方に好感が持てる。
 勿論回路はいたってシンプル。キャリア発振しバランスドモジュレーターで復変調を行いフィルターを通して送受信するというもの。TOPにはLPFがある。送受信はバイテラルとなっており、アンテナ、電源切替を1個の二極リレーで切り替える。
 受信はANT-RFアンプ-X'talフィルタ-アンプ-バランスドデモジュレータ-AFアンプ(LM386)。送信は マイクアンプ-バランスドモジュレータ-RFアンプ-X'talフィルタ-RFアンプ-ドライバーアンプ-ファイナルアンプとなっている。
 要するにコンバージョンが無いトランシーバーである。言うなればダイレクト送受信SSBトランシーバーである。
 果たしてこれでQSOが出来るのだろうかと思ってしまう。作ってからのお楽しみである。自作仲間のJA2GQP,JH8SST,Kさんと当局4人でこれに挑戦を始めた。

 フィルタ周波数が送受信周波数となるわけなので、クリスタルの調達が課題である。Plazaでも幾つか候補が紹介されている。今回はサトー電気の7.15122MHzを使用した。
 キャリア発振用に1個、フィルタ用に4個。
 トランジスタは秋月で販売している2N3904を採用。このトランジスタは実にパワフルでHFであれば問題なく使用できる。なんといっても20個100円と格安。
 ドライバーはGQPさんからQSYして頂いた2SC2314,ファイナルは2SC1816というCB時代のトランジスタを使用した。
 その他回路的なことは回路図を参照していただければ容易に理解できると思う。
 現設計からの変更は、トランジスタの負荷抵抗(220Ω)を470uFのRFCに変更したこと。X'talフィルタ、LPFのコイル、コンデンサーの見直しをおこなった。
 その結果受信感度向上と出力UPができた。
送信出力はピーク3Wとなった。受信は余り上げすぎると混変調を起こすようである。
 基板はサンハヤトのICB-93SEGメッシュシールドのものを使った。これは片面がアースパターンになるので高周波では安定動作が期待できる。
 スピーカー、マイクにはハンディートランシーバー用のスピーカーマイクを使用し小型化を図った。

 完成後超スーパーローカルのJN1VBN局と試験QSOをおこなってみた。送信音については何の問題も無く綺麗に変調がかかっているというレポートであった。受信についてはVBN局が近すぎて強すぎるので、少々発振気味で歪が感じられた。ここは少し定数見直しが必要かもしれない。しかし十分な了解度は得られた。
この様子をyoutubeにアップしてあるので、興味のある方はご覧いただきたい。
 固定周波数のSSBなので、こちらから周波数を合わせてQSOすることは出来ないので、CQ連呼となりそうである。また中途半端な周波数であるため、怖いOMからは怒られるかもしれない。最近時々100Hzずれてますとかいう方がおられる。最近のすばらしい機器だとどうもぴったりの周波数でないと気に入らないようである。
 大昔開局した当時は真空管AM送受信機で水晶で送信していた。VFOは無かった。それでもCQをだすと、10KHz以上も離れた周波数で応答があることがしばしばあった。お互いに水晶なのだ。これでも交信が成立していた。悠長な時代が懐かしい。
 是非この周波数でCQが出ていたら、無視をせず応答頂きたい。

73's

I made "Knobless Wonder" which was introduced in the new QRP Plaza. This transceiver is a super simple SSB transceiver designed by Mr. VK3YE Peter parker famous for QRP. Mr. is making a variety of QRP equipment such as PSN, it is a very challenging Ham. I sometimes refer but I have very useful information, so why do not you look at it once. 

"Knobless Wonder" has no knob like its name. There are only antenna connectors and microphone jacks. With its ultimate simplicity, you can feel good with this thorough thinking.
Of course the circuit is simple. Carrier oscillation,  balanced modulator, and transmitted and received through a X'tal filter. There is LPF in TOP. Transmission and receive are byteral , and switching antenna and power supply with one two-pole relay.
receive is ANT-RF amplifier - X'tal filter - Amplifier - Balanced demodulator - AF amplifier (LM 386). Transmission is microphone amplifier - balanced modulator - RF amplifier - X'tal filter - RF amplifier - driver amplifier - final amplifier.
It is a direct transmit / receive SSB transceiver.
I wonder if QSO can be done with this. It is fun after making it. JA 2 GQP, JH 8 SST, Mr.K and his authorities started making challenges with friends.


Since the filter frequency is the transmission / receive frequency, procurement of crystals is an issue. Several candidates are also introduced in Plaza. This time we used Sato Electric's 7.15122 MHz.
1 for carrier oscillation and 4 for filter.
I used transistor 2N3904 which it sells in autumn. This transistor is really powerful and can be used without problem if it is HF. Anyway 20 pieces 100 yen and cheap.
Driver used 2SC 2314 QSY from Mr. GQP and 2SC1816 in the final, for CB.
For other circuits, I think that you can easily understand by referring to the circuit diagram.
To change from the current design, change the transistor load resistance (220 Ω) to 470 μF RFC. X'tal filter, LPF coil, condenser was reviewed.
As a result, reception sensitivity was improved and output was improved.
The transmission output reached a peak of 3 W. It seems that cross modulation will occur if the reception is too high.
I used a board made by Sunhayato ICB-93 SEG mesh shield. Since one side is a ground pattern, stable operation can be expected at high frequencies.
For the speaker and the microphone, we tried miniaturization by using the speaker microphone for the handy transceiver.

After completion, I tried the super super local JN1VBN station and test QSO. There was no problem with the transmitted sound and it was a report that the modulation was beautifully applied. As for receive, the VBN station was strong, so distortion was felt with a slight oscillation. A little constant review may be necessary here. However, enough readability was obtained.

You tube

Thank you
73's

JA2NKD

2017.11.15
回路図修正(LM386周り及びRXトップの2N3904負荷RをLに変更し感度上昇)
及び クリスタル発振子(7.15909MHz,7.2MHz追加)

I modified the circuit diagram.
Change around the LM 386 and the 2N3904 load R of the RX top to L and increase the sensitivity.
Crystal oscillator addition(7.15909MHz,7.2MHz)

2017年10月10日火曜日

6BAND SSB6.1 Transceiver now completed




 6BAND トランシーバーは前回UPしたように送信について大きな課題が残っていた。
それはKITの送信出力レベルが低いことであった。
今回アンプを追加してその課題を解決することが出来た。
 基板からの出力は各バンド音声ピークで -30~ -25dBmであり、リニアの必要レベルが0dBmに近いレベルであったため20dB以上不足していることになる。

 シングルバンドであればトランジスタ1段で簡単に作ることが出来るが、マルチバンドであるため面倒である。これを解決するためにMMICといわれる広帯域アンプICを使用した。
手持ちのMMICのなかでなるべく大きな増幅度のINA-10386-TR1というものを選択した。以前鈴商で5個1200円で購入したものである。帯域が1.5GHzで増幅度25dB、最大出力10dBmと優れものである。このMMICは入出力が50Ωに整合されており、外付け部品無しで使える非常に優れものである。
 しかし非常に広帯域であるため、安易に使うことは危険である。両面で片面がメッシュシールドされたユニバーサル基板に付けて且つシールドケースに収容して、KIT基板とリニアの間に取り付けた。尚電源として基板から7.5V位の端子から取り出し抵抗を通して30mA位流している。
MMIC


 これにより各バンド5W位の出力が確保できた。3.5MHzだけは少し低めで3W位であった。
 今回のキットは色々難しいところがあったが、何とか使用可能なトランシーバーとして完成した。6BANDと多バンドのキットは殆ど無いことから貴重なキットと言える。
 以前製作したDDSマルチバンドVFOがやっと活用できた。
added MMIC

6 BAND transceiver had problems with transmission.
It was that the transmission output level of KIT was low.
Therefore, an amplifier using MMIC was added between kit and linear.
I used an MMIC called INA-10386-TR1. This MMIC is an excellent one with an output of 25 dB at 1.5 GHz.
Because it has a very wide band and its amplification is high, it is mounted in a shield case so as not to oscillate.
The output came to be about 5 W in each band.
It was completed.
Finally it is the completion of a practical transceiver using the multiband DDS-VFO which I made earlier.

Let's enjoy homebrew.

73's

2017年10月4日水曜日

6BAND 6.1 SSB Transceiver

 かなり以前から、ebayやaliに気になるキットが出ている。youtubeにも色々投稿されている。それは6BAND6.1 SSBと言われているキットである。チップ部品を使用しており非常にコンパクトで且つ6バンド(3.5,7,10,14,21,28MHz)で値段も数千円であり、思わずポチってしまった。といってももう半年も前のことである。
今回重い腰をあげ、老眼鏡をはめて作り始めた。

 詳しい仕様等も判らず資料もついていない。販売商品ページにリンクが有り、そこにある資料を参照しろということのようだ。
 回路図を眺めてみると定番のSA602を3個使用したもので特段特殊ではないようだ。
 受信はFETアンプ1段(回路図では省略されているようだ)ミクサーにSA602(実際はSA612が入っている)そのあと1段IFアンプ(FET)、クリスタル5個のフィルター、さらにFETのIFアンプ1段し、SA602(SA612)で検波。送信はSA602(SA612)で変調しフィルタに入りFETアンプ1段増幅しSA602(SA612)でVFOとミックスし目的周波数を得る。入出力にはバンドパスフィルタがあるが、どうも今一。

 取敢えず部品配置表とにらめっこでチップ部品を取り付ける。しかしここで問題発生。示された配置表と基板が少し違う。どうもバージョンの違いのようだ。回路図とマニュアル(G0CWA著 )を見ながら順を追ってつけていく。
 次の問題 送られてきた部品のFET(BF998)は基板のパタンに合わない。ここにはBF998Rを使う必要がある。これは非常に大きな問題である。幸いお世話になっているJA2GQPさんからインフォメーションがあったので新たにAliに手配しておいた。さらにリレーが4個使われているが、これが中古取り外し品である。
 このようなキット販売が許されるのも中華ならではかも知れない。
 一通り部品がついたら試験である。

 受信は取敢えず7MHzで信号が入感、しかしモガモガ。BFOの周波数が合っていない。VFOが15MHzでIF8MHzなのでLSB受信の為には8MHzの下側7.9985MHzとする必要があるが、VXOコイルがマニュアル通りだと下がりきらない。仕方なく巻き直す。7Kコイルの溝に5回x5溝とした。これでも7.5uHしかなかったが、何とか7.9987KHzとなたのでOKとしている。経験的には10uH以上必要と思う。これで快調に復調できるようになった。
 フィルターはバリキャップを使用し可変となっている。フィルタ単体で試験してみると波形はリップルが大きい。聞いてみて特に問題は無く聞こえているので、今のところオリジナルのままとしている。AGCはAFボリュームの出力側から取られているので、ボリュームを回すとレベルも変化してしまう。またSメータ出力が無いので外部にAGC回路を別途儲けAGCとSメータ出力としている。
 送信は各バンド多少の差異はあるが-30dBm~-25dBm程度であった。またキャリア漏れもあるが、調整が出来ない。
 入出力のBPFもピークはでるものの、どうも旨くマッチングしていない感じである。
キットとしての再現性はお世辞にも良いとはいえない。

 取敢えずこの状態でVFO,リニアを付けてトランシーバーとして組んでみた。

VFOには以前紹介したマルチバンドVFO(NKD_VFOVer3)を使用。殆どオリジナルのままであるが、6バンドに変更している。詳しくはリンクのページを参照してください。

 リニアは私定番の三菱パワーFET(RD00HHS1,RD06HHF1)を使用し5Wを目指す。
しかしキットからの出力が-30dBm程度なのでこの2段ではまだ20dBくらい不足している。しかしストレート3段アンプも発振等怖い感じである。現状キットからの直接入力で1W以下しか得られない。MMICアンプを追加しようか悩むところである。
 出力用LPFは、3.5MHz,7MHz、10-14MHz、21-28MHzの4回路としコンパクト化した。

 Arduino nanoを使ったコントロール回路は、NKDVFOVer3のものをそのまま使用しているが、BAND情報、MODE情報をキットに引き渡すことと、LPF切替のために使うことから 3 to 8 Demultiplexer(BAND情報用)と 2 to 8 Demultiplexer(MODE情報用)のあとにデジタルトランジスタを使用して出力させている。ちょっと大げさかもしれないがキットの切替信号入力にはフォトカップラーが使用されており結構な電流を流すようになっているためである。

 少々雑に記したが、課題をまとめると
1.FETにはBF998Rが必要で別途手配を要す。
2.VXOコイルの定数見直し
3.BPFの定数見直し
4.中古リレーは新品としたい。(現時点では鈴商で入手可能 @250)
5.キャリア漏れがある
6.フィルターのリップルが多い
7.送信出力レベルが低い(-25~35dBm)
8.Sメータ出力がないこととAGCが今一なので改良
9.まともな回路図、部品配置図がない(見つからない)






 最終目標の5W出力が得られていないが、受信部は完成し快調に受信できている。非常にコンパクトに出来ており再現性がよければいいキットになると思うが、現状では製作のハードルが高いと言わざる負えない。まだまだ手を入れる必要があるが、時間が掛かるので、現状でブログアップすることとした。

Because it is hard to write in English, only the assignment is shown below.
Please send me a comment or e-mail if there is something you do not understand.

1. BF998R is required for FET and it is necessary to arrange separately.
2. Constant review of VXO coil
3. Constant review of BPF
4. I would like to use used relays as brand new.
5. There is a career leak
6. There are many filter ripples
7. Transmission output level is low (-25 to 35 dBm)
8. Since there is no S meter output and AGC is now one, improvement
9. There is no decent circuit diagram, parts layout diagram (not found)

At the present time, the final target of 5 W output has not been obtained. I am going to improve it in the future, but since it takes time, I blogged up the present situation

73's
DE JA2NKD